希少疾病について知らない薬学生のつぶやき
今日はネットニュースでムコ多糖症の記事を発見した.
恥ずかしながら
聞いたことはあるけどあまり知らなかったので,
勉強もかねて書いておこうと思います.
ムコ多糖症はライソゾーム酵素が
遺伝的に欠損することで,
酵素によって分解されるはずの
グリコサミノグリカンが蓄積し,
臓器障害や骨格障害を引き起こす難病です.
(ライソゾームは各細胞で老廃物を分解するオルガネラ)
ほとんどの方が成人を前に亡くなられるそうだ.
診断のための症状として,以下のものがあるが,
成長してからでないと分かりにくいものが多いため,
早期発見のために新生児マススクリーニングが
検討されているそうだ.
参考に以下のサイトを挙げておきます.
muconet.
http://www.muconet.jp/index.html
ムコ多糖症の特徴
治りにくい中耳炎
臍ヘルニア,鼠径ヘルニア
蒙古斑が大きい
角膜混濁(黒目が白く見える)
僧帽弁閉鎖不全症(孤発性で他の心奇形を伴わない)
薬学生としては治療薬が気になるところで,
調べるとエラプレース(イデュルスルファーゼ)やナグラザイム(ガルスルファーゼ)という欠損酵素補充薬があるようで週1回点滴するとありました.
しかし,ライソゾームの酵素はライソゾームの酸性pH(5-6)で働くはずです.
ライソゾームまで酵素をデリバリーする
ということだろうか.
仮に中性pHで働くようにしたとしても
細胞内の老廃物を分解するには,
最低限,細胞内に入らなければならないわけで,
結局デリバリーの問題はつきまとうように思う.
エンドサイトーシスだけで病気の進行を妨げる濃度まで取り込めるということだろうか.
謎である.
これを一般の方に言うと,薬学大丈夫か?
って言われそうですが,
正直習った覚えがないのです.
ムコ多糖症もその治療薬についても.
とはいえ,現場でこんなことは許されない.
希少疾病に関して,最新の薬の情報に関して
情報収集するという姿勢が薬学生の間で浸透していないなと反省した次第です.
考えるに値する問題ですね.
下級生が何か成し遂げてくれないだろうか...