某博士課程のblog 2

私立6年制薬学部卒,博士課程進学者のblogです.記事の前にカテゴリ中のprofile(随時更新)をご覧いただきたいと思います.

コンパニオン診断薬やopenPCRの話

今日は実験しつつ,大学院の課題を少し進めた.

 

コンパニオン診断薬という言葉を聞いたことがあるだろうか.

分子標的薬と同時に開発が推奨される診断薬で,

遺伝子変異を検出するものだ.

例えば,イレッサ®(ゲフィチニブ)であれば,EGFR遺伝子変異陽性の患者に

適応が限られ,遺伝子検査が必要だ.

最近では抗メラノーマ,ゼルボラフ®(ベムラフェニブ)と同時にコバスという

BRAF-V600E遺伝子変異の検査薬が同時に発売されている.

 

このような変異を調べるよう各自課題を与えられたわけだが,

遺伝子について調べていくうちに寄り道してしまった.

今や目的の遺伝子の配列は簡単に検索でき,プライマーの設計も簡単にできるらしい.

プライマーの設計(1/3) :: U-runner's View|yaplog!(ヤプログ!)byGMO

 

さらに増幅するPCRも10万で買える.

logmi.jp

流行りのバイオハックというやつだけど,

薬剤師でこんなもん作る人がでてきたら面白いと思う.

 

下記は,以前読んだバイオハッカーに関する書籍です.

実際に海外では多数いるようで,実例をあげて書かれているので興味ある方はどうぞ.

バイオパンク―DIY科学者たちのDNAハック!

バイオパンク―DIY科学者たちのDNAハック!

 

 

 

スターラーを自作してみよう1

La Familia

実はこっそりスターラーを作ってやろうかと考え中

実験室で使用者も増えてきたし,壊れたものも一台ある.

それの修理もしてみたい.

こういうのは遊びだから,実験から帰った深夜にこっそり自分の部屋でやるのがよい.

博士課程も2年目になり,当初の論文量産計画(謎)も捨て去り,

今は失敗を楽しめるようになった.

悟りを開いたのか笑(単にサボっているだけかもしれないが)

 

さて,マグネティック・スターラーの自作だが,

調べてみると楽勝でヒットする.

 下記のサイトがおしゃれに作ってあるので,参考になりそうだ.

意外にも構造は単純で,磁石とそれを回転させるモータ,

それとつまみで抵抗を変えられる可変抵抗というアイテムが必要らしい.

今日は遅いので,明日にでも見積もって,到着までに

部屋を片付けるとしよう.

 

マグネチック・スターラーの製作

博士課程同士の会話

うちの大学は夜9時以降は裏口から出ることになっているのだが、その際に帳簿に名前を書かなければいけない。

 
学年の欄にDが並んでると、ほっとする
 
明日も頑張ろうと思える.
一緒に実験してるわけでもないし,昼ご飯も重ならない.
直接、話す機会がそんなにあるわけじゃないけれど、朝早い時間や夜遅くにたまに会うと嬉しくなる。
互いに近況を話すこともあるけれど,
話を聞いているようでどこか自分のことを考えてたりする。
今日もそんな感じだった.
聞いてないように見えても,別に咎めたりしない.
「あー,考えているのだな.そっとしておこう」と思う.
 
さー、明日も早く起きて、仕事前に実験しよう。
失敗を後から見ると、まだまだ粉体に遊ばれているように感じる.
どんどん実験して,どんどん失敗して経験値を積もう.
 
 
 
 

近況報告

2月から実に半年近く更新をサボってしまった.

近況としては,7月〆切の学会へ向けて,データの取り直しをしているところです.

粉体の粒子径を訳あって小さくしたところ,あまりに上手く行かなかったので,

既存の装置を捨て,新たに装置を考案(大げさに書いたが,既存の装置の使い方を変えただけ)しました.

これがなかなか上手く行きそうで,よいデータがとれたのですが,

先生に見せるとやはり,怪しいところがチラホラありました.

やはり,学会に発表するのだから,

後になってSTAP細胞ありませんでしたではダメなわけで,

 

ちゃんと再現がとれるか確認中です.

 

そして,今日再現がとれませんでした.

原因は見当がついているので,明日,再度確認実験です.

 

最近はこんなの見てます笑

この人が最近何やってるか知らず,お金大好きみたいに見てる人多いですが,

結構面白い方ですよ.

本もおすすめです.


ホリエモンのQ&A vol.176~小さな1を足していこう!~ - YouTube

 

 

ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく

ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく

 

 

 

初ポスター作り

12時間滞在。

3月上旬の学内講演会のためのポスター作成とそのための実験。
来週の進捗報告会の資料作成と実験。
忙しくなってきました。
 
おかしいな。
二ヶ月何やってたんだろう。
特に実験が何も進んでない。
予備検討で終わってしまっている。
湿度の影響で以前のデータが出ない。
その対策に時間がかかった。
未だ不十分だが、もう一度新たな環境で取り直すか、この環境で以前の再現を目指すか。
迷ってどちらも出来ないのは最悪だ。
まだまだ要領が悪い。
文献は順調に読めていて、少しずつ頭に入ってきてる。
要旨もある程度完成したから、同じ形式なら次からは早いはず。
こういう忙しい時に、進捗報告のスライドを英語縛りにしてると逃げたくなる。
先生に演題提出したら早速、訂正をくらってしまった笑
いや、確かにおかしい英語、というか日本語にしてもおかしい。
落ち着こう。
 
表面自由エネルギーについて下記の本で勉強中.
デュプレ式から拡張フォークスまで丁寧に解説してくれてます.

 非常に分かりやすい.

接着の基礎と理論―図解でなっとく!

接着の基礎と理論―図解でなっとく!

 

 

 
 

液架橋力と静電気力

9時間滞在。
改めて扱いにくい材料だと実感。
しかし、扱いづらいものを扱えるようになれば、あとは楽なわけで。
悪戦苦闘するうちに、少しずつ知恵が身についているように思う。
粉体の付着において、液架橋力と静電気力は湿度でコントロールできるが、疎水性の粒子は帯電しやすく、濡れも悪いため、液架橋も発生しやすい。
つまり疎水性の粉体ほど扱いにくいのではないか。
液架橋と接触角の関係も式化されている。
帯電もすでに先人たちがあらゆる実験を行っている。
ただこれらを読むだけではおそらく何も理解出来なかっただろう。
実際に物を使い、自由に制御したいという思いがあるからこそ、考えることができる。
数式も少しずつ分かる。

博士課程で気をつけること

(タイトルはあくまで修了していないものが書いてるので間に受けないように)
12時間滞在。
今日から滞在時間、実験とデスクワークの比率、物品の発注日をExcelに記録することにした。
これで常に実験とデスクワークのバランスを意識できる。
このExcelは進捗報告で全体に公開する。
公開することが前提であれば、強制力が生まれる。
発注日も意識してつけることで、発注を常に考えるようになるだろう。
博士課程では授業も課題もほとんどない。
自分で意識して、強制力を生み出すシステムを構築することが肝要だろう。

今日も文献に比重が置かれたが、物品が届いたので明日からは実験中心になる。
やはり実験で何かしらのデータが出て、課題が見つかれば、今まで注意が向いていなかった文献にも目がいくようになり、さらに理解出来るようになる。
工学部出身の人が書いた装置内での粒子の挙動も少しずつ辿れる予感がする。
実に楽しみだ。
明日の実験の結果も楽しみ。
乳化重合の結果も良好。
無事、粒子径が以前の2倍程度の粒子が調整された。